「無(最高の状態)」著:鈴木祐の感想レビュー
箇条書きレビューします。
無(最高の状態)の内容
- メンタルがアレな人は読んどくと良い
- 仏教等の宗教や哲学でおすすめされているマインドフルや瞑想について深堀りできる
- 悟りって何も感じなくなる事なんじゃないの?って誤解も説いてくれる
- 多種に渡って瞑想法(認知行動療法)のおさらいにも使える
メンタルを鍛えたいって人におすすめな本です。
無(最高の状態)の学びになったポイントTOP3
自我は明滅である
自我ってのは確固たる存在としてそこに在るのではなく
常に出たり消えたりしてるんやでーって話を科学的見地と瞑想者の体験談などから紐解いてくれている所はよかった。
僕は仏教メイン科学+αくらいで瞑想学習をしていましたが、個人的にスピリチュアルは信じていないので
どうしても「これって詭弁なんじゃないのか?」って思ってしまう箇所は出てしまうんですよね。
世の中あらゆるものに言える事だけど、瞑想というかマインドフルネスや悟りは、特に本質的に言葉では語れないものなので
人によって表現も違うし、「本当にこいつは悟ってるのか?」って疑念すら感じ始めてしまう
本書はデータや客観的な情報も交えてくれるので、その辺の得心を得るのに役立ちました。
自我ってのは「諸行無常、一切皆苦、諸法無我、涅槃寂静」という四法印の中の一つで最も大事なポイントなので
疑念がメントレの邪魔になると面倒ですからね。
認知行動療法もセットで学べる
本書では認知行動療法もセットで学べます。ACTという第3世代の認知行動療法にも少し触れています。
結界や悪法や降伏といったナゾのワードでベールをかぶっては居ますけど中身は認知行動療法です。
認知行動療法の認知の歪みの解説は、正直覚えづらい。
悪法という括りを使って短い単語で解説してくれるので日本人に理解しやすい形になってはいるんじゃないかと思います。
認知行動療法の専門書と合わせて読むとメンタルケアの一助になるかと。
仏教と科学の混ざり合いがよかった
一番よかったのはこれですかねぇ。
仏教徒の語る言葉はどうしても主観性が強くなっているように感じてしまいます。
特に半端な坊主程そう。
自分の世界観でしか見えていない事を押し付けてくるような坊主もいるので、禅は好きだけど禅の坊主は正直苦手って人は僕だけではないはず。
禅の坊主には芸術を否定する人もいますしね。
世の中そういうバランスでできていない。
中道が大切だというのは釈迦も説いていたはずなのに、なぜか極端になりがちな仏教の精神修行の世界。
そこに科学を混ぜる事で、在家の現代人が精神修行を行う上で必要な事をうまく調整してくれる書籍だと思っています。
ガチの仏教者は戒律などの影響かこういった書籍を避難される人も少なくはないでしょうが
個人的には、その極端性がそもそも釈迦が悟ったという縁起の理解の妨げになっているのではないかと思う次第。
まとめ
- メントレ手法の総括的な本。
- メンタルアレな人の助けになるはず
- 自我は明滅である
- 瞑想や認知行動療法をざっと使える形でまとめてくれてる
役に立ちそうなのは、こんなところですかね話。
って事で「無(最高の状態)」の簡易レビューでした。
- メンタル鍛えたいが面倒くさい事が多い!
って人は、終盤にどういう順序で取り組めばいいのかまとめてくれているのでそちらを読んでから理屈部分を読んでいけばいいんじゃないかと思います。
個人的にはとりあえず止観と観想(ヴィパッサナ)を取り入れながら認知行動療法って深堀りって感じでいいんじゃないかなという感じ。
瞑想本は優れた本が沢山あるけど、仏教興味ない人でも読みやすい本なのでいいんじゃないすかね。認知行動療法も一緒に学べますし。
なんにしてもメントレは最後は感覚的な話になるので、本読んでもやらなきゃうまくはならんのですけどねー。
関連本
こちらは同著者の書籍。認知行動療法のワークも複数掲載されてるのでおすすめ。
瞑想読本としておすすめです。平易で読みやすい。
瞑想修行をした西洋学者が書いた本なんですけど、これも読みやすいです。呼吸を重視しすぎてるところが少し難点かと思うものの、著者が東洋人ではない事に一つ深みがあって理解を助けてくれるかも。
専門語が多くて読みづらいけど、瞑想の感覚についての解説本としていい本。文庫で扱いやすいですし。