うねおろぐ~生きる目的を失ったリタイア中年~

本業漫画描きの掃き溜めブログ。哲学/瞑想/メンタル/隠居/仕事の話など

【映画】キャスト・アウェイ

ネタバレあるよ

Quoraで知った映画。

孤独と戦いすべてを失う

飛行機事故で孤島に流れ着き、数年を過ごす話。

帰ってきたが、結婚をするつもりだった恋人は「主人公は死んだ諦めろ」と周りに説得された結果、別の生活を手に入れていた。

気持ちはまだつながっていても、そうはいかない

結局、生きて帰ってきたのに何もかも失ってしまったという話。

それでも生きて、また手に入れよう。というアメリカ的な思想

孤島での自殺未遂を友人に話す主人公。

彼女と再会するために生きたのに、結局は失ってしまった。

それでも生きよう。明日は明日の風が吹くやで…的な事を言い出す。

そして、ラストではOPに登場した、美人さんが現れて主人公と接点を持つというとんでもご都合匂わせの展開で終わる。

その後どうなったかは描かれていないが

いわゆる 「主人公は新しい恋をして幸せになるんやで」という大衆向け糞映画ENDING感がすごかった。

まぁまぁまぁ、面白かったけどね。

問題解決型の思考

2000年の映画だし、昨今の認知行動療法界隈で言われてる

問題解決型の思考には限界があるという話に僕は共感しているし

東洋思想やストア派なんかはまさにこういう、なるようにしかならん、という考え方なので

苦しいから新しいものを得よう

みたいな考え方は、人の一生を断片的に切り取った享楽主義的だなと感じてしまう。

極端な話を言えば、

主人公は孤島で死んでも映画として成り立たせられたのではと思ってしまう。

戻ってこられてたのは死の間際に見た夢だったとしても、それはそれでいい映画だと思っただろうと。

誰も彼もが得たいものを得て、みなハッピーになるんやでというのはご都合主義にもほどがあると思ってしまう。

人間の営みなんてのは、マジョリティの気持ちのいい世界の中でマイノリティがほどほどに苦しい思いをして、イレギュラーが排除されて形ができているのに

きれいなものだけが、人生だと言わんばかりの大衆映画はやはり、納得しきれないと思ってしまう。

独り身に優しくないお国柄

インターステラーでも同じこと思ったな。

あのラストいるかね、と思ったんだよね。あの彼女じゃないけどともに旅をした女性を探しにいくラスト。

まぁ、あれは、恋人うんたらというより。一人別の惑星でプランBやってるかもしれないからって事なのかもしらんけど。

少し前の増田に「日本は一人にやさしい」って記事があったのを思い出した。

anond.hatelabo.jp

映画にもそういうところが反映されてるのかもしらんなぁと。

孤独であのまま、孤独で孤島で死ぬ事は、アメリカでは許されないのかもしれない。

僕は、それもまた人生だと思うけど。バレーボールのウィルソンとともに、救われず、生き抜いたが結局無駄になっていく事もまた人生だと。

所詮死ねば全部パーなんだから、人生ってそういうものだし。

映画は終わらず切り取られるから、続きがあるけど、何をしてようが終わるし、それは常に不条理なものだから。

そういう映画が見たいんだけど、お国柄なのか、そういう映画は受けないんだろうな。