作品情報
三千円の使いかた:原田ひ香 2021年8月20日発売
一家族を中心に、年齢や性別色々な登場人物視点からのお金にまつわるお話。
ネタバレ感想
それぞれキャラクターが展開するので、これはレビュー書くの大変なので大分端折りますわ。
お金はあの世に持っていけないから使いましょう + 不安だから節約しなきゃ
あの世に持っていけないから使いましょう、というのと、お金がどれだけあっても不安だから節約しなきゃという相反した言葉が同じ口からでてくるのが老人というものだ。 P79
とても共感する。ワイは老人ではないが。
最近ちょいちょい考える。
先日リタイアシミュレーターをGeminiに作らせた件も記事にしたが、そういうことだ。
とはいえ「使いましょう」といっても使う所もないのが正直なところ。
数ヶ月前にはギターを買ったが、ギターなんてぶっちゃけ対して金がかからない趣味。最初にそれなりの本体を一つ買ってしまえば、あとは弦交換等のメンテナンス用品くらいで正直小銭程度。
無論「白いストラト欲しいねぇ」とか言って次々買ってるとキリがないが、そもそもそういうのはボクの美徳とする思想、東洋思想やストア哲学などに反する。
なんでもかんでもただ欲しいからとコレクションするのはあまりいい感じではない。
もちろん、そのうち欲しいなとは思ってるけど、それは例えば、仕事ちゃんとやって報酬を得た一部を使って買う等の縛りが必要だと思うし、最低でもフレットが潰れるくらいまでは弾いてからじゃないと、2台持っててもしかたないしね。人間は一人なんだから。
ってなわけで、使うといってもねぇ…という感じ。
PCも豪華なPC買ったところでそのスペックを使うことがない。
最近はもっぱらゲームもしなくなったし。ローカルAI環境構築したいならハイスペックがいるだろうけど、今のところAIバリバリ使ってなにかやるかって言われても気が乗らないのが現状なので。というかAIもエロじゃないなら、クラウド型で十分だろうし。
だからこの文章に対して共感はするが、実生活との合致はない。
でもまぁ、あったらあったほうがいいよなぁとは思ってしまう。欲求というよりも心配が減る感じ。
コレ言ってたらずっと使わずに死ぬんだろうけど、使うことがないからそれでもいいのかなと思う。ワイであった。
人生は理不尽なもの
人生は理不尽なもの。でも、理不尽なことがなかったら、なんのための節約なの?経済なの?節約って生きていることを受け入れた上ですることよ。費用対効果なんてない、ってことを受け入れてからの節約なのよ。じゃなかったら、私みたいな鳥よりはもう死んで方がいいってことよね
これはコスパだらだら短期バイト40おじさんに向けて70台のおばあちゃんが放ったセリフ。
アルベール・カミュが結構好きで、人生は理不尽であり、それを受け入れた上で生きるってのはほんとそのとおりだと思う。
理不尽な世界を否定するなら死んだ方がマシってことになってしまいかねないし。
カミュはその理不尽を受け入れ生き、40代で理不尽にも交通事故で亡くなってしまうわけだが、カミュはその理不尽を受け入れられたのだろうかとふと思ったりする。ま死んでるんだから受け入れるもクソもないか。
節約ってのはボクにとってなんなのかよくわからない。頑張らないでやるものって認識。
結局この世界は理不尽なものでそれは「お金がない人は節約を受け入れましょう」って事ではなく、個人的には「お金が湯水のようにあっても欲を満たし続ける限り満たされないよ」って理不尽さの方が怖いと思ってる。
仏教やストア派が説いてる通り幸福は引き算の方がよく効く。
引き算てのは、お金をどうこうというよりも、知足の精神を養うためのそれであり、それはまた世界の理不尽の一つなのではないかと思ったりするわけで。
満たされないのだ、本質的に、人という生き物は。
総評
これ、結構書くの大変なので、そろそろやめる。おもしろかったけど、めちゃ泣ける~とかそんな話ではない。
唯一中心になる安生って男がいて、そいつ全然共感できないクソバカなんだけど、晴耕雨読な生活を楽しんでるところは割と好きだった。
そしてその生活や周りの人間関係で得ていたはずの安寧をぶち壊すきっかけになったのが女絡みのトラブルってところもまたね。
なんというか、やはり欲とうまく付き合わないと、世の中生きるのが苦しくなるよねって改めておもったワイであった。
おつかれさま。
ドラマになってたんや。